ネパール評論

ネパール研究会

丹後の春と過疎化

丹後でも,今年の冬は厳しく,その分,野の花々も彩り鮮やかだ。路傍の野草には自然の凛とした気品が,野生化した外来種や古民家前の桜には自然と化した人為の温かさが,感じられる。いずれ劣らず好ましい。

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 ■古民家と桜

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 ■自宅付近の路傍の野草と菜の花

しかし,その丹後でも,容赦なく過疎化は進み,それを押しとどめるはずの開発は乱雑な自然破壊・文化破壊となっている。山間の田畑や山林のため大金をかけ立派な舗装道路を張り巡らせても,農林業は廃れ,耕作放棄地・放置山林となり,野生動物の天国。舗装道路の最大の受益者は,タヌキやイタチ,トンビにカラスらだ。

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 ■舗装農道沿いの耕作放棄田

こうした地方の過疎化は,日本だけでなく,何とわれらがネパールでも進行している。グローバル化は,情報化でもあり,ネパールの農山村の人々も都市や外国の生活を見聞きできるようになった。そして、それを見た若者たちが,次々と故郷を捨て,都市や外国に出て行く。農山村には,老人と女性だけが取り残され始めたという。

グローバル情報化・資本主義化は,政治経済の中央集中化である。アベノミックスが引き金になって,博打グローバル市場経済が破綻することにでもならなければ,この不健康な現象を押しとどめることはできそうにない。残念ながら,

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/04/05 @ 12:11