ネパール評論

ネパール研究会

中国の周辺外交

中央公論8月号に,川島真「ネパールから見た中国の『周辺外交』」が掲載されている。それによると,中国の対ネパール政策は,「相対的に慎重で控え目」であり,「影響力は限定的」だという。

たしかにそうだが,問題は,近年の変化の量と質にあるのではないか? 中国の近年の経済進出はすさまじい。日用雑貨以外にも,たとえば,24日付ロイターによれば,中国は2020年までに,ネパール国境と,ブータン/インド国境まで,青蔵鉄道(チベット鉄道)を延伸する計画だ。

また,ネパール水資源でも,中国はインドと激突しそうだ。近年のこのような激変をどう評価すべきか? 

ネパールはインド勢力圏であり,チベット問題への介入さえ防止されれば,それ以上は関与しないという伝統的対ネパール政策を,中国は継続しているのかどうか? ここが,よくわからない。

140724 ■エネルギー省

【追加2014-7-25】(Republica, 2014-7-24)
(1)青蔵鉄道シガツェ線,8月営業開始。
(2)シガツェ~Kuti/Kerung(ネパール国境),シガツェ~Yadung(インド/ブータン国境),2020年延伸予定
                                       
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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/07/24 @ 20:02