ネパール評論

ネパール研究会

憲法骨格案提出,またまたまた延期

「憲法に関する政治的対話と合意形成委員会(CPDCC)」(バブラム・バタライ議長)の憲法骨格案提出期限が,またまたまた延期され,11月1日となった。3度目の正直,今度こそ本当に本当の「最後」だそうだ。

また,バブラムCPDCC議長の強い要請で10月21~22日に開催された,豪華ゴカルナ・リゾート3党幹部合宿会議でも合意は得られず,こちらもティハール開けの26~27日に再度会議をもつことになった。憲法より祭が大切。
 [ゴカルナ合宿会議出席]
   NC: デウバ,ポウデル,シタウラ
   UML: オーリ,MK.ネパール,イシュワル・ポカレル
   UCPN-M: プラチャンダ,バブラム・バタライ
141024c141024a141024b ■ゴカルナ・リゾート(同HP)

与野党の対立は,憲法(国家構造)の基本部分に関わっている。この点については,すでに何回も述べたので,それらを参照されたい。

ネバン制憲議会議長は,バブラムCPDCC議長に対し,11月2日の議会に,憲法制定に関する合意項目と不合意項目の一覧を提出せよ,と命令した。1日がCPDCC答申の「最後」の期限だから,制憲議会議長がそう命令するのは当然だが,さて,それでどうなるのか?

NC,UML,RPP-N,RPP,RJなどは,投票決着を主張している。これに対し,マオイストとマデシ系諸党派は,投票決着には絶対反対,「12項目合意(2005)」に従い,あくまでも合意による憲法制定を目指せ,と強硬に要求している。

憲法(国家構造)への合意形成も,投票決着もできない。こんなとき,民主主義はどうするのか? 民主的憲法は民主的には制定できないのか?

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2014/10/24 @ 15:54