ネパール評論

ネパール研究会

朝日の血液型優生学

谷川昌幸(C)

朝日新聞(6月27日)が,また血液型政治家分類をやっている。血液型と政治信条・政治能力とは全く無関係なのに,あえてそれをやるのは,ナチス優生学を日本政治に導入する意図があると疑われても仕方ない。もしそうでないのなら,血液型政治家分類の必要性を理論的に論証して見せよ。

blood 口閉ざす「ポスト小沢」(朝日6/27)

血液型政治家分類の危険性については,すでに何回か指摘し,朝日新聞「声」欄にも掲載された(「血液型の記載,記事には不要」朝日新聞西部本社版2006.10.8)。その際,私に確認電話をかけてきた西部本社の担当者は,私の批判の正当性を全面的に認め,なぜ東京本社がこのような血液型記載をするのか理解できないと語っていた。

にもかかわらず,また血液型政治家分類を,しかも三面ではなく政治面に堂々と掲載している。これは故意だ。朝日は,血液型優生学を導入し,日本に人種差別のタネをまき,大きく育てるつもりなのだ。

人を,自分の意志ではどうにもならない生物学的特徴により類別し,それを政治信条・政治能力と関係づけることが,いかに危険なことかは,激しい人種差別や民族紛争を経験してきた国々では常識だ。だから,そうしたことを惹起しかねない言動をしないよう,特にマスコミは細心の注意を払っている。

ところが,天下の大朝日が,またまたバカのことをやった。さんざん批判され,理論的に反論できないことを十分に知った上で,意図的にやった。これでは,朝日新聞社の中に,血液型優生学主義者がいるといわれても仕方あるまい。

こんなことは絶対に許されない。朝日東京本社は,わかった上で意図的にやっているので,もう朝日紙上では反論しない。ネットで,嵐のような朝日批判が巻き起こることを期待している。

▼朝日新聞の血液型優生学関係記事(一部)

livedoorニュース(2007.8.7)
2007年7月24日付の朝日新聞によると、2人の講師は県警を定年退職した60代の男性。07年2月頃から講義の最初に、「車の事故を起こす確率は血液型ごとに違う」という内容の話をしていた。「O型は最も事故率が高い」「A型は安全運転」「B型はメカ(機械)に強くて自信過剰で、不注意事故が目立つ」「AB型は神経質で疲れやすく、睡魔に襲われての追突事故が多い」などというものだった。

朝日新聞(1990.11.21)
三菱電機は、血液型がAB型の社員だけを集め、ファクシミリの商品開発を練るプロジェクトチームを作った。「アイデア、企画力に優れたAB型の特質」(発案者の伊藤円冗・通信機器事業部長)を利用して、ヒット商品に結びつけようという狙い。成果が上がれば、社外モニターの中からAB型の人だけを選んで拡大プロジェクトチームを組むことも考えている。社員管理の一環として血液型の性格分析を参考にしている企業もあるものの、ここまで徹底した例は珍しい。

Written by Tanigawa

2008/06/29 @ 19:47

カテゴリー: 政治