ネパール評論

ネパール研究会

CA憲法案,30日夜採択へ

憲法起草委員会(KP・シタウラ委員長)から送られた憲法原案は,6月30日夜制憲議会(CA)において正式のCA憲法案として採択される見込みとなった。

最大の懸案,州区画については,新憲法の中に書き込む方向になりつつあるが,まだどうなるかわからない。

この憲法制定「特急手続き」については,RPP-Nやマデシ系諸派が反対しているが,主要4党がほぼ合意しているので,7月中旬ないし月末,あるいはおそくとも8月第1週までには,めでたく新憲法制定公布の運びとなると見られている。

どの国民にとっても憲法制定は難事業。新憲法は,ほぼ例外なく,革命や独立や敗戦による事実上の国家構造の変化後,それを法的に確認し確定するため制定される。ネパールの場合,マオイスト革命が良かれ悪しかれ中途半端な妥協に終わってしまったため,必然的に新憲法制定が困難とならざるをえなかった。

その二進も三進もいかない,どん詰まり状況を一気に打開したのが,皮肉なことに,この4月25日の大地震であった。ネパール政治諸勢力は,新憲法を制定し正統な立憲体制を樹立しなければ,3千億ルピーとも5千億ルピーとも言われる巨額援助を受け,震災復興事業を進めていくのは難しいと,そう腹をくくったのではないかと思われる。

150630a150630b■制憲議会SC・ネバン議長/OG・マガル副議長

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/06/30 @ 20:12

カテゴリー: 議会, 憲法

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