ネパール評論

ネパール研究会

太陽光蓄電池式LED照明,激増中

ネパールでは,小型の太陽光発電が激増している。乾季,雨季を問わず,連日,長時間停電なので,いまや当地の生活必需品となったようだ。後発国の技術的優位。モバイルに続き,太陽光発電でも,ネパールは日本を追い越し,はるか先を疾走しつつある。

太陽光発電でも特に目立つのが,蓄電池式LED照明。いたるところにあり,なお激増中。

が,よいことばかりではない。近代合理主義が「もっと光を」と叫んだように,近代の光は効率本位で,文化的暖かさがない。LEDは暖色も発光させうるが,近代化を急ぐ先行ネパールでは効率本位の白色光ばかり。どぎついLED光が,いたるところで目を射る。

私のネパール初体験は,夜間フライトで上空からカトマンズを見たこと。盆地全体が,電燈の暖かくやわらかい光で,やさし~く包まれていた。

それが,少しずつ蛍光灯に置き換えられ,そして今,冷たい合理主義の反文化の光によって急速に取って代わられつつある。

それともう一つ,気がかりなのは蓄電池の処分。ネパールのLED照明の多くは蓄電池式なので,しばらくすると蓄電池が大量に廃棄され始める。日常生活ゴミですらまともに処理されていないのに,廃棄蓄電池をどう処分するのだろう。文化もさることながら,現実生活の方も心配だ。ガンジス源流域に大量放棄といったことにならなければよいが。

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 ■トリブバン大学の合理のLED光/LED街灯とアパートの太陽光発電版(7月15日早朝)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/07/15 @ 11:05

カテゴリー: 経済, 文化

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