京都の米軍基地(79): 「パンとサーカス」と軍事支配
京丹後にとって,8月24日の穴文珠祭は,米軍による「パンとサーカス(食事と娯楽)」饗応が軍事支配と表裏一体であることを,事実をもって示してくれた最初のまたとない機会となった。
穴文珠祭では,米軍がホットドッグとポップコーン(食事)を振る舞い,米軍軍楽隊演奏(娯楽)で地元民を楽しませた。まさしく「パンとサーカス」。ここに市長,区長等々の地元有力者,名士らが参加していたことはいうまでもない。
その一方,おそらくほぼ同時期に,隣の米軍基地では,Xバンドレーダーの能力強化作業が着々と進められていた。作業に当たったのは,米軍通信担当軍人,レイセオン社とロッキード・マーチン社の社員,そして「現地社員(日本の下請軍需産業社員?)」である(米陸軍HP,8月25日)。見方によれば,穴文珠祭での「パンとサーカス」による住民饗応は軍事基地強化のカモフラージュといってもよいかもしれない。さすが,「パンとサーカス」の先進国だ。
米軍Xバンドレーダーは,どのようなものか? はっきりそうとは明示されていないが,米陸軍HP(8月25日)によれば,経ヶ岬レーダードーム内のレーダー本体は,下図のものらしい。レーダー能力強化担当者らしき人々がレーダードームの横に立っている写真の前の写真に,このレーダーが写っているのだから,たぶん間違いないだろう。
■整備担当らしき人々とレーダードーム/ドーム内レーダー(米陸軍HP,8月25日)
これは,8月25日以前であれば,「軍事秘密」であり,たぶん「特定秘密」だ。が,宗主国が流したのだから,そのあとで従属国臣民が転載しても,よもや重罪に問われることはあるまい。
こと,さほどに従属国臣民は卑屈にして屈辱的な立場にある。「パンとサーカス」饗応に浮かれていては,気付きもしないだろうが。
谷川昌幸(C)
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