ネパール評論

ネパール研究会

建て替え進むキルティプル

カトマンズ近郊で伝統的景観がまだ奇跡的に残っているキルティプルの丘でも,震災を機に,建て替えが進み始めた。老朽化に地震被害が追い打ちをかけたためである。

地震被害は,当然ながら,古い家屋に多い。しかし,地盤の良いキルティプルの丘では,地震被害はそれほど大きくはなかった。古い家屋でも,多くは破損部分の修理で十分使用し続けられるように見えた。ところが,残念なことに,現実には修繕使用ではなく,取り壊し・建て替えがあちこちで始まった。

キルティプルは,カトマンズ市内からも空港からも40~50分。しかも,カトマンズやパタンは街並みが急速に近現代化し,伝統的文化遺産としての魅力を失いつつある。

この状況は,キルティプルにとっては,またとないチャンスであるはずなのに,気位が高いのか,ここの人々は,自分たちの街を観光地として売り出そうとはしていない。惜しい。

むろん,これは余所者外国人の勝手な感傷に過ぎないが,それにしても,返す返す惜しい。

▼伝統的家屋
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▼崩壊家屋
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▼建て替え現場/新築家屋(古い家屋の両側)
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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/11/28 @ 19:20

カテゴリー: 経済, 文化, 旅行

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