ネパール評論

ネパール研究会

マデシとUMLが衝突,3人死亡

ネパール各紙によれば,モランで22日,警官隊が統一民主マデシ戦線(UDMF[SLMM])デモ隊に発砲,3人が死亡し,十数人が負傷した。

モランでは22日,UML(共産党統一マルクス・レーニン派)の青年組織YAN(ネパール青年会)が集会を開いていた。UDMFはこれに反対,デモ隊をYAN集会場に向け行進させ,警官隊と衝突した。警察側は,UDMFデモ隊は刀剣,弓矢,棍棒などで武装しており,発砲はやむを得なかった,と説明している。

YAN集会には,ポカレルUML書記長,マンデル青年スポーツ相(UML)などUML幹部多数が参加しており,オリ首相(UML)も参加予定だったが,結局,取りやめになった。要人参加のため,警官多数が動員され,付近は厳重警戒されていた。

この状況から見て,これは首相を出しているUMLとUDMFとの正面衝突と考えざるをえない。UDMFないしマデシ住民側は3人の死者,十数人の負傷者を出しており,他方,UML側は車や家を焼かれたりしている。

UMLは,実力によるマデシ反政府運動の抑え込みに,さらに傾きつつある。先行きが懸念される。

 160122■モラン(タライ東部)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/01/22 @ 19:04

カテゴリー: 政党, 民族

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