ネパール評論 Nepal Review

ネパール研究会

アメリカ英語の貧困

在ネ米大使館が,英語帝国主義の宣伝に躍起となっている(今日の下図ツイッター参照)。が,肝心の英語は,正確には,イギリス語のアメリカ方言(American English)。一地方の一方言にすぎないものを,大使館まで動員し,世界標準語にしようというわけだ。

しかし,しょせん歴史の浅い新世界の方言。語彙不足。たとえば,今日宣伝している代名詞でいえば,アメリカ語にはいまのところ「男」と「女」しかいないから,どちらかわからない場合,いたるところで「he/she」などと,苦し紛れの表現をせざるをえない。不便なばかりか,およそ非文化的で見苦しい。あるいは,無限に多様な人間を言語的に「男」か「女」のいずれかに分類するという発想そのものが,差別的で,時代遅れ。

英語帝国主義では,せいぜい「Ms」を創るくらいのことしかできなかった。ここは,豊饒な言語の国にして世界に関たる造語超大国,日本の出番だ。日本のわれわれが,「男」でも「女」でもなく,むろん「もの」でもない人をうける美しい代名詞を造語し,輸出して差し上げるべきではないだろうか。

160208

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/02/08 @ 20:24

カテゴリー: ネパール, 文化

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