ネパール評論

ネパール研究会

ラマ大佐無罪判決,英裁判所(1)

人民戦争末期の2005年,マオイスト容疑者2人を軍駐屯地で拷問したとして,2013年1月英国内で逮捕され,裁判にかけられていたネパール国軍のクマール・ラマ大佐に対し,英国刑事裁判所は2016年9月6日,無罪判決を言い渡した。

このラマ大佐裁判は,(1)外国人による外国での行為にも裁判管轄権を認める拷問禁止条約の在り方,(2)英国をはじめとする諸大国の人民戦争への関与の妥当性,(3)ネパールにおける移行期正義の進め方など,さまざまな観点から見て,極めて重要な意味をもつものである。

そこで,以下,報道に基づき。ラマ裁判の要点を見ていくことにしたい。なお,ラマ大佐逮捕については,つぎの拙稿参照:
 *1 ラマ大佐逮捕で主権喪失
 *2 ラマ大佐裁判と国家主権のお値段

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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/09/09 @ 19:43