ゴビンダ医師,ハンスト終了
ゴビンダ・KC医師が12月4日,10回目のハンストを22日目で終えた。要求の一部が実現し,他の多くについては政府が実現への努力を約束したからである。
(1)実現された要求
・TU医学部長の交代(KP・シン教授辞任,JP・アグラワル教授就任)
(2)政府の約束
・医学部授業料の上限設定
MBBS(医科学士):350万ルピー(カトマンズ盆地内),420万ルピー(盆地外)
BDS(歯科学士):190万ルピー
・各州に国立医科カレッジ設立
・TU医学部の自治権尊重
・「国家医科教育法」成立まで,医科カレッジのTU連携を認可しない。
・公立医科カレッジ学生の半数に奨学金支給。将来的に全学生支給を目指す。
・マンモハン医科カレッジの国有化
・カルキCIAA委員長の弾劾
以上のように,ゴビンダ医師のハンストは,政府約束にとどまるものが多いとはいえ,相当の成果を上げて,終了した。ネパールにおいて,ハンストは,いまなお重要にして有効な政治闘争の手段なのである。
しかしながら,これは民主主義にとっては誇るべきことではない。生命を懸けたハンスト(fast-unto-death)に訴えざるを得ないのは,民主主義が有効に機能していないからに他ならない。ハンストは民主主義失敗の指標といっても言い過ぎではあるまい。
*1 “Dr KC ends fast-unto-death on 22nd day,” Republica, December 5, 2016
谷川昌幸(C)
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