ネパール評論

ネパール研究会

マオイスト,パラス元皇太子支持

これだからネパール政治は面白い(少々不謹慎な表現だが)。なんと,われらがネパール共産党毛沢東派(マオイスト)がパラス元皇太子の弁護に回ったのだ。極右=極左共闘!

それも下っ端ではない。マオイスト政治局Kul Prasad K.C.,マオイスト・チトワン代表Anil Sharma,マオイスト・スポークスマンD. Sharmaらが,パラス氏はそんなことはやっていない,と弁護している(Telegraph, Dec 13)。

マオイストによれば,これはインドとNC(コングレス)のでっち上げだという。あるいは,もめ事はあったとしても、他の重要問題を隠すため仕組まれたものであり,パラス氏はむしろネパールの名誉と国益を守ろうとしたのだという。美事な分析だ。プラチャンダ議長のご聖断が待たれる。

こうした王族や国家中枢にかかわる出来事は,なかなか真相が分からない。CIAやRAWの情報がウィキリークスに掲載されるのを待たねばなるまい。あるいは,少なくともPeoples Review報道と比較検証すべきだろう。自衛隊情報なら『朝雲新聞』,共産党情報なら『赤旗』を見るように。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2010/12/15 @ 16:19