ネパール評論

ネパール研究会

制憲議会選挙,11月実施へ

主要4党と選挙管理委員会,レグミ議長(首相代行)およびヤダブ大統領は,制憲議会選挙の6月21日実施を諦め,11月15-21日実施とすることに,ほぼ合意した。プラチャンダ議長の中国帰国後,正式発表とのこと(ekantipur, Apr15,2013)。

ところが,選管から内閣に送られた「制憲議会議員令2013年(案)」をめぐって,またまたもめ始めた。論点は3つ。

(1)比例制で,得票率1%未満政党を切り捨てる。
(2)受刑者は,刑期満了後6年以上の者のみ,立候補資格あり。
(3)立候補者は,選挙前に所有財産を開示。また,立候補預託金は5000ルピー。

この3点について,マオイストと,他の小政党が反対している。もめると,11月選挙も難しくなる。

それにしても,いったい誰が,選挙をこんなに「精緻」に,複雑に,しようとしているのか? 制度は所詮道具であり,簡明なものに限る。複雑にすればするほど,カネと手間がかかり,内外の選挙産業,セミナー産業,援助産業,そして政党ボスを太らせるだけだ。

先進諸国は,次の選挙では,一切手を引き,ネパールの人々に全部まかせてみてはいかがか。プラスチック投票箱がなくても,コンピューターがなくても,選挙はできる。全部任せてしまえば,ネパールの人々は,自分たちの予算と人員と経験知の範囲内で実行可能なような簡潔な方法を工夫し,選挙を実施するにちがいない。

政治にも,適正技術は,ある。

130416 ■選挙の高度複雑化(選管HP)

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2013/04/16 @ 18:05