京都の米軍基地(68):翼賛奉仕へ粛々と
経ヶ岬進駐米軍への翼賛奉仕体制づくりが,米軍主導で,粛々と進められている。権力もカネもあるから,住民は翼賛奉仕に加担した方が得策,反対派はじり貧,見る影もない。
1.視察・宴会
米軍最前線最先端基地には,米日要人の視察が続々。4月13日には防衛大臣政務官ご一行が,はるばる秘境・経ヶ岬にまで,ご機嫌伺いにこられた。視察後は,もちろん宗主国のための宴会。視察団:防衛大臣政務官・石川博崇,防衛省地方協力局地方調整課長・藤代誠,航空幕僚監部総務部長・荒木文博,中部航空方面隊副司令官・金子真一,中部航空警戒管制団司令・山本祐一ほか(敬称略)。
その数日後(たぶん4月19日)には,京都府の山田知事が視察。日本のメディアはあまり報じないが,誠実な米軍は,ちゃんと報告してくれている。
2.日米友好協会
地元も盛り上がっている。4月16日には,特定非営利活動法人「京丹後市日米友好協会」が設立された。目的は,「京丹後市民と米国人をはじめとする基地関係者との相互理解と友好関係を増進し、地域社会の安心安全に寄与すること」。
米軍人・軍属およびその家族との交流なのに,なぜ「日米友好」なのか? 相手は,毎日のように世界のどこかで戦争をしている,世界最強の恐ろしい軍隊。目的と名称が一致していない。が,われらが京都府知事は,もちろん「国益」のため,法人設立を認可した。
3.消防協定
その数日後の4月21日には,京丹後市が,「在日米陸軍基地管理隊緊急業務局統合消防本部」という,いかにもおどろおどろしい米軍機関との間で,消防協定を締結した。
「協定書」はまだ未見だが,報道によると,米軍基地で火災が発生した場合,米軍の要請を受け,市の消防隊が消火にあたるのだそうだ。
大丈夫かな? 基地内は日本の治外法権。しかも,危険物ごろごろ。一応,燃料タンクなどの情報は提供されるそうだが,本当に危険なもの,つまり軍事秘密であり「特定秘密」でもありうる恐ろしい危険物の情報など,ちっぽけな自治体の消防になど教えるはずもない。
それなのに,中山市長は満面の笑みをたたえつつ,米軍統合消防長と固く握手し,「協定書」を取り交わした。市長によれば,「今回の協定によって、米軍の安全と同時に市民の安全も守れることにつながる」(NHK京都4月21日)という。
どうして? 危険きわまりない外国軍基地の火災現場に突入し,滅私奉公させられるのは,市長ではなく,市民を守るはずの消防隊員なのに。
4.エルモ京丹後支部
独立行政法人「駐留軍等労働者労務管理機構(エルモ)」も,たぶん4月上旬に,開設。「経ヶ岬通信所の日本人雇用者のため」だそうだ。それにしても,「エルモ」とは,ちょっと気恥ずかしくなるような,が,いかにもそれらしい,名称ではある。
*「レーダーサイト火災時の消火協力 京丹後市と米軍が協定 消火設備の事前点検も」産経ネット版,2015.4.22
*「米軍基地と京丹後市が協定」NHK京都ネット版,2015.4.21
*14th MDB,FB
谷川昌幸(C)
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