ネパール評論

ネパール研究会

SSBを告発,CIAA(3)

3.SSBの反論
CIAAによる告発報道発表に対し,SSBは全面否定の反論声明を発表した。「職権乱用調査委員会の報道発表に関する社会科学バハの声明」(日付なし,2016年10月8日閲覧 *1)。要旨は以下の通り。

(1)正規のNGO登録
 ・SSBは,2007年1月15日ラリトプル郡役所登録,以後,毎年更新。また,社会福祉委員会にも登録し,毎年更新。国税局には2007年1月28日登録。
 ・ASDは独立組織ではなく,SSBが2007年以降運営してきたSSBの事業。これについても,あらかじめ法令に基づき認可を得ており,それを証明する社会福祉委員会の諸文書も取得している。

(2)裏付けなしの曲解発表
 ・CIAAは,一度もSSBから聴取していない。もっぱら社会福祉委員会提出のSSB文書を利用し,支出等について誤った解釈をして,これを発表した。

(3)管轄権の逸脱
 ・CIAAは,あたかも裁判所であるかのように裁決し,報道発表をした。これは,憲法や他の法令に違反する。こうしたCIAAの悪意と偏見による行為は,管轄権の逸脱である。

(4)SSB事業の合法性と正当性
 ・SSBは法に基づき設置・運営されており,法に基づく調査であれば,協力を惜しまない。
 ・SSBの事業目的:1)内外の諸機関と協力しネパール人研究者の能力向上を図ること,2)整備された社会科学図書館の設置・運営,3)シンクタンクとして社会科学の調査・研究・教育や学術交流を促進,4)討論,対話,交流を通して政策立案・分析に寄与。
 ・SSBは,学術機関として,多元社会における法の支配,立憲主義,民主主義,良い統治,包摂,説明責任の向上を図っている。

161009

*1 “Statement by Social Science Baha on the press release issued by the Commission for Investigation of Abuse of Authority,” http://www.soscbaha.org/news/news-blog/878-statement.html

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2016/10/09 @ 19:24

カテゴリー: 教育, 文化, 民主主義

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