京都の米軍基地(113): 軍機への恐れ
軍機(軍事秘密)への警戒は,外国では,身を守るため必要不可欠なことだ。軍隊や軍事施設をうっかり撮ってしまったり,それらに不用意に近づいたりすると,カメラを没収されたり,スパイ容疑で拘束されたりする恐れがある。万が一,スパイ容疑で起訴されると,反証は難しく,重罰を覚悟せざるを得ない場合が少なくない。
幸い日本は,非武装平和憲法を持ち,建前としては軍隊を保持してこなかったので,日常生活で軍機を気にする必要はほとんどなかった。戦前日本のような,あるいは多くの諸外国にみられるような軍機の息苦しさ,重苦しさから,戦後日本の人々は解放されていたのである。
ところが,ここにきて雲行きが怪しくなってきた。2013年12月には特定秘密保護法が成立。日本でも,軍隊や軍事施設に不用意に近づくと,拘束され,処罰されかねない状況になってきた。いまのところ,望遠レンズ付カメラで自衛隊基地や米軍基地を撮影しても,それだけでは,とがめられたり拘束されたりすることはない。しかし,この状態がいつまで続くか?
皮肉なのは,軍機と言いつつも,他方ではグーグルなど,先端技術で,軍隊や軍事施設のかなりの部分が丸裸になっていること。日本三大秘境の一つ,丹後半島も,グーグルはバッチリ撮影し,世界に向け広く公開している。解像度,革命的に向上。
■これらは2013年9月撮影のグーグル・ストリートビュー。上が空自用地,下が米軍用地。このビューは現在も使用されており,新旧の比較に便利。
(2)グーグル航空写真(11月13日閲覧)
■空自「司令部地区」・九品寺(穴文殊)・米軍基地
(3)空自「岳山レーダー地区」
■グーグル航空写真(11月13日閲覧)/九品寺からの遠望(11月6日撮影)
(4)九品寺(穴文殊)参道入口の異物
■監視装置?(11月6日撮影)
谷川昌幸(C)
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