ネパール評論

ネパール研究会

ゴビンダ医師のハンスト闘争(31)

7.ハンスト:開始から終了まで
 (1)ジュムラでハンスト開始
 (2)体調悪化
 (3)ゴビンダ医師支持の拡大
 (4)カトマンズへの強制移送
 (5)カトマンズでのハンスト継続

(6)人権団体等のKC支持声明
ゴビンダ医師のハンスト闘争については,ネパール内外の人権団体等が様々なKC支持声明を発表,問題の早期解決を訴えた。

たとえば,アジア人権委員会(AHRC)は7月11付声明「医学マフィアに一人立ち向かうKC医師,健康状態悪化」において,こう要望した。「AHRCはゴビンダ・KC医師の生命を救うため,政府が直ちに対応することを求める。政府は,ネパール一般市民の利益のために,すみやかにマテマ委員会答申に沿う医学教育法を制定し,KC医師とのこれまでの合意を実行すべきである。」(*74, 75)

また,アムネスティ・ネパールも,7月20日付声明「病院玄関先での実力行使は認められない」において,KAHSでの警察実力行使に憂慮を表明し,問題の話し合いによる解決をネパール政府に対し要望した。(*76)

さらに,7月22日には,ネパールの主要メディア編集長ら十数人がKC医師と面会した後,共同でKC支持声明を出した。それによれば,主要諸政党がKCとのこれまでの合意を誠実に実行しなかったため,彼は今回,15回目のハンストに入らざるをえなかった。「その結果,KC医師はハンストの繰り返しで生命そのものの危機に陥ってしまった」。政府は,これ以上引き延ばすことなく,直ちに彼の要求に応えるべきだ。以上が声明要旨。この声明に参加ないし賛同したのは,カンティプル,カトマンズ・ポスト,ナガリク,リパブリカ,ヒマラヤン・タイムズ,アンナプルナ・ポスト,セトパティ,ナヤパトリカ,12khari.comなど(同系列メディア含む)。(*77,78)


■AHRC声明(同HPより)/アムネスティ・ネパール声明(同HPより)

*74 AHRC, “NEPAL: Deteriorating health of Dr. KC, lone crusader fighting against medical mafia,” AHRC HP, July 11, 2018
*75 “AHRC urges govt to save Dr Govinda KC’s life,” Himalayan, July 12, 2018
*76 Amnesty International Nepal Section, “Use of force at the Hospital Premises Unacceptable,” 20 Jul 2018
*77 “Editors of mainstream media express solidarity to Dr KC’s demands, appeal govt to meet his demands,” Republica, July 22, 2018
*78 “Editors support Dr KC’s demands, urge govt to act soon,” Republica, July 23, 2018

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2019/05/07 @ 10:20

カテゴリー: 健康, 政治, 教育

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