ネパール評論

ネパール研究会

首相選挙,14回目も失敗

谷川昌幸(C)

10月29日,14回目の首相選挙が行われたが,唯一の立候補者,コングレス党のポウデル氏は,過半数にはるかに及ばず,またしても選出されなかった。

■ラムチャンドラ・ポウデル: 賛成96,反対2,白票40。出席者138。制憲議会定数601.

次の15回目は,11月1日。これが世界新であることは,もはや疑いの余地はない。スゴイ,まったくスゴイ。

ここで勘違いしてはならないが,いうまでもなく悪いのは,ひるむことなく立候補し続けているポウデル氏ではなく,立候補者も出せないくせに場外で騒いでいる女々しいマオイストとUML。文句があるなら,ちゃんと候補者を出し,議会で正々堂々と闘うべきだ。それが議会政治の常道だ。

この調子では,もうしばらくすると,毎日が首相選挙となるかもしれない。結局,民主主義とはその程度のものなのだ。それが分かり始めただけでも,大収穫だ。

毎日が首相選挙ともなれば,必ずや政治的英知が生まれてくる。それまでは,倦むことなく,徹底的に民主主義につきあうべきだ。People’s Powerで民主主義を生み出したのだから。

Written by Tanigawa

2010/10/29 @ 22:17