ネパール評論

ネパール研究会

震災なきがごときカトマンズ

トリブバん空港到着後,タクシーでキルティプルに来た。驚いたのは,少なくとも見た限り,見えた限りでは,震災はほとんど感じられなかったこと。

4月地震で村にも街にも被害が出ていることは事実だが,連日の報道から想像していたほど,少なくともカトマンズの街には被害はなさそうだ。タクシーから見た限りでは,倒壊したり大きく損傷した建物は,沿道には,タパタリ近くの寺院を除けば,ほとんど見られなかった。

空港ビルは無傷,絶対崩壊と思っていたマイティガルの半宙吊り建物(下図)も無事,反対側の古い古典調官庁群も見た限りでは健在。

150212e150212d■2015年2月現在

キルティプルも同様。ホテルは丘の急斜面にへばりつくように立っており,地震があれば丘の下まで崩落はまぬかれないと恐れていたのに,なんとひび一つ入ることなく,平常通り営業していた。

キルティプルで最も心配していたのが,寺院とその周辺の古い建物群。こちらはダメだろうなと覚悟していたが,すべて無傷,ひびすらほとんど見られなかった。

といっても,被害が全く見られなかったわけではない。丘の上の,地震以前から自然崩壊しつつあった古い,古~い建物は,いくつか部分崩壊し,近くの広場にテントや仮設避難所が設営されていた。キルティプルで避難生活をしているのは,40家族ほどだそうだ。

震災は地域差が大きいらしい。キルティプルのすぐ近く,古い街並みが見事な愛すべきパンガ。ほぼ全滅だそうだ。近くのマッチェ村も多くの家が倒壊とのこと。本当だろうか?

それにしても,雨季ど真ん中,水は有り余っているはずなのに,長時間停電とは,不思議な国だ。

▼キルティプルの寺院と民家と避難所(2015-7-13)
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谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/07/14 @ 11:56

カテゴリー: 社会, 自然

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