ネパール評論

ネパール研究会

巨大憲法国の巨大内閣

オリ首相が11月5日,副首相と大臣を追加任命し,首相1,副首相6大臣19となった(Himalayan, 6 Nov)。他に大統領1,副大統領1。大臣は19だが,今後まだまだ追加任命されるだろう。巨大憲法(308カ条)と巨大議会(601人)に加え,巨大内閣!

これだけ巨大かつ精緻な世界最高水準の成文憲法を持ち,601人もの国会議員を持ち,首相と首相を支える6人もの副首相と19人の大臣を持ち,さらに大統領と副大統領もいる。ほぼ完璧,万全だ。
 
151106a■ネパール政府(政府HP)

西洋諸国,たとえばイギリスは,ネパールに比べれば,はるかに非民主的な後進国。いまだに国教会を持つ宗教国家であり,国教会の長でもある女王(国王)が君臨する君主国である。憲法は,古臭いカビの生えたような,得体のしれない不合理な不文の慣習法。議会上院は,これまた古臭い貴族院であり,特権貴族の巣窟。

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 ■英国女王行進/英国貴族院(英政府HP)
 
西洋には,こんな英国とよく似た古臭い,封建的な,遅れた,非民主的な憲法や政治制度を持つ国が他にもたくさんある。

そうした後進西洋諸国は,いまこそ視察団を編成してネパールに派遣し,その最新にして最高水準の,民主的な,世界最大級の巨大憲法と巨大政府を虚心坦懐に学び,そのネパール・モデルに倣い,自国の民主化を図るべきだ。

西洋諸国は,ユメユメ,自国の遅れた,非民主的な文化や制度を,世界最先進民主憲法国ネパールに押し付けるべきではない。

谷川昌幸(C)

Written by Tanigawa

2015/11/06 @ 13:08

カテゴリー: 議会, 憲法, 政治, 民主主義

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