青蔵鉄道のルンビニ延伸計画
青蔵鉄道をチベット・ラサからカトマンズ経由でルンビニまで延伸する計画については,ネパール国内よりもむしろインドで大きく報道されてきた。それを受けてであろうが(直接参照は29日付レパブリカ記事),朝日新聞がニューデリー武石特派員の関連記事を図解入りでかなり大きく掲載している。
青蔵鉄道ルンビニ延伸計画は,いうまでもなくプラチャンダ議長(ルンビニ開発国家指導委員会委員長)のルンビニ開発計画の一環であり,もしこれが実現すれば,ネパールは北方経由の物流網を確保し,インドの軛からの脱却に向け大きく一歩前進する。
中国にとっても,開発余地の大きいタライや,その先のインド巨大市場への橋頭堡となり,経済的,政治的,軍事的メリットは大きい。
ルンビニ開発は,ネパールと中国の双方にとって利益があり,しかもどうやらアメリカ,韓国,そして国連すらもそれぞれの思惑で加担しているようなので,実現の可能性は十分にある。
これに危機感を募らせるのが,インド。今後のネパール情勢にとっては,人民解放軍解体と没収土地返却で体制内化へ雪崩を打つマオイストよりも,むしろインドの出方の方が要注意であろう。インドはどう動くのか?
【参照】
2011/10/19 ルンビニ開発とプラチャンダと中印米権力政治
2011/10/26 プラチャンダのルンビニ開発とバブラムのBIPPA,または中印覇権競争
2011/10/27 プラチャンダのルンビニ開発,国連をも取り込む
2011/11/04 ルンビニを国際平和都市に,プラチャンダの野望
2011/11/05 ルンビニ開発に2百万ドル拠出,韓国
2011/11/06 ルンビニ開発と国連事務総長選挙
2011/11/09 ルンビニ開発も新国際空港も韓国
2011/11/11 国連に赤旗,プラチャンダの勝利
谷川昌幸(C)
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